うさぎの診療

うさぎを飼う際の注意点

うさぎを飼う際の注意点

ウサギは犬や猫と比べると、あまりなつかないというイメージがありますが、と一緒に暮らしてみると意外に感情表現が豊かなのにビックリしてしまいます。怒ったり甘えたり...かわいいです。うさぎは非常にデリケートな動物です。

小さな変化で食欲をなくしたり、ストレスから下痢になったりします。
うさぎの性格や病気を飼い主様がご理解した上で家族の一員として病気を予防・治療していきましょう。
うさぎさんの来院時の注意事項や病気などを、スタッフブログで掲載しています。
ぜひご覧下さい

こんなお悩みはご相談下さい。

歯のお悩み
  • 歯が伸びていて手入れの方法がわからない
  • 食べにくそうにしている

お顔周りの症状
  • 頬やアゴが腫れている
  • くしゃみを繰り返す、鼻の周りが濡れている

尿や便の異変
  • 血尿している
  • 下痢が続く

その他
  • 繰り返し転倒する、姿勢が不自然
  • 食欲がない
  • 2匹以上で飼っていて喧嘩ばかりする
  • 妊娠をした
  • 去勢・避妊手術を相談したい

うさぎは体調が悪くなると、症状を隠そうとします。
小さなサインを見逃さないために日々コミュニケーションをとっていきましょう。

ウサギの去勢避妊手術

「うさぎの避妊・去勢手術って本当に必要なことなの?」なんて思っていませんか?

実は、これらの手術はうさぎさんにとっても飼主さんにとっても非常に大事なことなんです。
避妊・去勢手術は望まない繁殖を防ぐことが第一に考えられますが、このような病気の発生を防ぐという大切な目的も備えています。また、うさぎさん特有の性質に対して効果があります。

精巣外観

正常なウサギの睾丸

睾丸の写真:interzoo、エキゾチック診療 2013 SEPTEMBER Vol.5 No.3

子宮卵巣の外観

正常なウサギの卵巣

子宮卵巣の写真:緑書房、カラーアトラス エキゾチックアニマル 哺乳類編 ―種類・生態・飼育・疾病―

精巣外観

精巣外観

子宮卵巣の外観

子宮卵巣の外観

当院で手術したうさぎさんの子宮・卵巣および精巣です。双方ともに腫瘍化しています。
それぞれ子宮内膜癌、間細胞腫という診断がつきました。

うさぎの去勢・避妊手術の時期

手術対象となるのは6ヶ月以上の健康な子となりますが、1歳齢を過ぎますと内臓脂肪の貯留が著しくなるため、手術のリスクが上がります。
できれば、それまでに手術することをお勧めしますが、1歳齢以上で手術を望まれる場合は減量などの指導をさせていただき、安全性が確認されてから実施させて頂きます。

術後は神経質なうさぎさんの性格ゆえに、食欲が落ちたり、傷口を舐める・かじるといった行動から癒合の遅延を起こすことがありますので、相談しながらしっかりとした対処を行っていく必要があります。

注意点
男の子は去勢手術を行った後でも4~5週間は生殖能力を有しているので未避妊雌と一緒にしてはいけません。

女の子の場合

野生の状態では年に5~6回妊娠を繰り返し、雌性ホルモンのバランスをとっています。
それに対し、家庭内のウサギは妊娠する機会がほとんどないので不自然なホルモンバランスとなり、それが偽妊娠、子宮や乳腺の病気、不安定な精神状態へとつながります。

男の子の場合

子孫を残そうとする雄性ホルモンからストレスを受けているため、問題行動として、便や尿などによるマーキング(尿スプレー)や飼主さんへの攻撃性が強まります。精巣の病気にもなることがあります。
特に多頭飼育の環境では、なわばり意識が高いため、ストレスを受けやすく、問題行動(攻撃性や尿スプレー)だけでなく時に致命的な激しい喧嘩が見られることがあります。
これらの問題行動は女の子にも見られることがあります。

うさぎの去勢・避妊手術によって病気を防ぐ

うさぎの去勢・避妊手術によって病気を防ぐ

避妊・去勢手術はホルモンによるストレスから解放してあげることで、精神的に安定し、飼主さんと良好なコミュニケーションをとれるようになる可能性があります。
さらに大切なのは病気の予防です。

加齢とともに生殖器疾患のリスクは上がっていき、男の子では精巣腫瘍、女の子では卵巣・子宮および乳腺の腫瘍などがあげられます。特に未避妊雌の生殖器疾患の発生率は犬猫よりもはるかに高いといわれています。

うさぎの避妊手術について>>